伊勢物語 - オンライン読書
伊勢物語 - 103
むかし、をとこ有りけり。いとまめにじちようにて、あだなる心なかりけり。ふか草のみかどになむ、つかうまつりける。心あやまりやしたりけむ、みこたちのつかひたまひける人を、あひいへりけり。さて、
ねぬる夜の夢をはかなみまどろめば
いやはかなにもなりまさるかな
となんよみてやりける。さるうたのきたなげさよ。
伊勢物語 - 104